魔王 最終話

まあこうなるだろうと思ってた7割くらいは当たった。
まず、父は病死するだろうなと。これは堅いと思ってて。心臓で倒れた時ああ、やっぱりねって思った。
でもまさか、兄が自殺するとは思わなかったし、葛西が刺される事も、そして共犯者が射殺されることも予想外でした。これハンパなく残酷な結末ですよね。だって葛西くらいは救われても良かったんじゃないかなってちょっと思ったし。大野の優しさがあだになった形で。それに、共犯者を、大野は救おうとしてたし、罪にならないようにもしていたのに、結局あの人の中の悪が一番おっきかったと思う。いぢめしてる人たちマジで恐れないと駄目だ。その時は遊びにやってたかもしれないけど、やられてる本人は多分死ぬより辛い目に遭わされて、大人になって、やってた側は忘れてたり、記憶が風化してるかもしれないけど、本人の中には悪の種が育ち続ける可能性がある。そして、ある日キレて突然後ろから刺されるとか普通にありえる話だから。そして、魔王見てて本当にそれを凄く感じた。考えてみたら、本当にいぢめられてたのは彼なんだよね。友達の復讐だけじゃなくて、自分の復讐も入ってしまってるから、きっとああいう風にしかなれなかったんだろう。
ああ本当に哀しい。つらい。そんな目に遭わなければならないなんて、辛すぎる。

そして、大野ととうまの結末。これちょっと予想外。私的にはとうまが大野を殺す、または、とうまが大野を殺せなくて大野が自殺と見せかけてとうまに罪をかぶせる、または、とうまが大野を殺せずどちらも死なない、だったんですよ。
まあ、大野の最終目的がとうまを殺すことじゃなくて、とうまに殺される事だってのはわかってました。じゃなきゃ、大野の復讐は完成しないし。それに、あの人は絶対生きていられないとも思ったし。でも、まさか、大野がとうまを誤って殺す(=とうまの昔の罪と同じ)ってのがあるとは思わなかったなあ。いやあ、辛いな・・・哀しいです。

罪と罰って意味を凄く考えました。
結局最後は、大野もとうまも同じ罪になっちゃったんだよね。そして、同じ罰を受けた形になった。
どちらも、大切な兄弟を無くし、親がショックで死に、友達をなくし、人の命を殺め、たくさんの人生を狂わせ、その罪の重さに悩み苦しみぬいて死んだのだから。
死が、罰ではなく、救いじゃないかってちょっと思った。
もう、苦しまなくていい、もう充分懺悔し、その罰を背負い続けた人に、平等に死は訪れるんじゃないかと私は思ってるのです。ほら、いい人ほど早く死ぬっていうじゃないですか。神様に、もういいよっていわれた人がさっさと人生をクリアするんじゃないかな。それでいくと、長寿が多い日本人って罪深そうだな〜とは思うけど。

私が思ってた以上にしおりちゃんが最後活躍しなかったなってのはありました。最後の対決の時にもう少し絡んでくると思ってたんだよなあ〜。死ぬ直前に彼女が間に合って最後の言葉を聞く、とか、あのサイコメトリー能力で何かを感じ取るとかあるかと。でも、二人の死を見つけるだけの役目だったんだなって。まあそれは、最初の事件と同じように、第一発見者って役目だったんだろうけど。
最後、寄りかかるように死んでた二人はどこか宗教画のようでもあって、天使とかそういうものを感じさせるものでしたね。すごく、哀しいのに美しいというか。思っていたより本当にヘビーな結末で、誰一人として生き残れなかったってのが意外とショックでかかったかな〜。苦笑