星々の舟

村山由佳さんの直木賞受賞作品。
もともと村山さんファンなんですが、これもすばらしい出来ですね。
でも、なんていうか、基本、救いのない愛の話ばかりで、読んでいてちょっとぐったりします。
特に、不倫の話と、兄妹の許されない愛の話。不倫は、どうしようもなく、哀しいし、兄妹の方は、救いがない。

私的には、別にどっちもいんじゃね?みたいな認識で、実のところ、特に兄妹のほうは、子供つくんなきゃいんじゃね?とか思ってるくらいなのです。駄目駄目ですかね。でもこれは、中学校くらいから、もうずっと思ってることでして。
同性愛も別にいいし、まあ、自分の好きな人がゲイだったら超辛いとは思うけども、でも、まあしょうがないし。
で、も、それは許されてないので、今の日本、または地球で生きてくなら、きっと成就はできないのでしょう。

で、不倫の方は、何だか切なくて。結局、自分を守ってしかいられない、傷つくのが怖いひとが、もしかしたら不倫に走るのかと。まあ、すっごいすっごい、好きで好きでたまらない人が、たまたま妻帯者であることもあるんだろうけど。
でも、不倫とかは、基本時間がないじゃないですか、だって、相手は妻帯者で、家庭に時間を使わないと駄目だからね。暇な時間で遊んでるだけ。でも、その逢うための時間があまりにも少ないから、そのために他の時間をどんどん縛られていく。で、どんどんがんじがらめで、結局、もう動けなくなる。しかも、相手は、家庭に何かあったとき、必ずそちらをとってしまうのだ。特に、子供なんかいたら、もう、だめで。
そういうのをリアルに見てしまって、ああ、だから不倫は駄目なんだってはっきりとわかってしまった。
私は今のところそんな経験はないけど、時々、妻帯者のなかにはとても魅力的な人間がいたりして、ぐらってきたりもするのですが、あ〜、ほんとにだめだな。ぼろっぼろになるなって、思った。
よしもとばななさんの本が本当に好きで、かなり読んでるのですが、彼女もよく不倫の話を書いてて、いいにつけ、悪いにつけ、ん〜こんなもんかなって思ってたんだけど、村山さんのはもっと赤裸々に辛かった。
好きなら好きなだけ、辛いので、私は絶対やんないほうがいいと思った。
特に、不誠実で、遊びなれてる男はホントに駄目だ・・・そういううそつきが、一番本当に私を魅了するけど、多分私を一番ぼろぼろに傷つけて、死ぬほどの痛みを与えてしまうだろう。

そんな男を一人知ってて、どうしても惹かれてしまうのだけど、いつも、なんとなく都合が会わなくて、会ったり遊んだりするタイミングにはならない。それは、私を守る何かが、どうしても駄目だと言ってるんだろうなって、いつも思う。
うん、でも、あまりにも好きな声をしてて、誘われると断れないんだ。魔力があるんだと思う。そういう自分が大嫌いだけど。そして、もっともっと心の奥で、分かってることは、私の人生で一番好きで一番ほしかった人に、よく似ているのだ。その本質が、どことなく、同じなのだと私の本能が言ってて、どうしても断ち切れない。どうしても、こんなあほうな私なのだと、最近は諦めにも近い気持ちで思ってる。

ただ、その男は、大変に移り気な人でして、私なんかある意味ぜ〜んぜんなんとも思ってないので、楽といえば楽。きっとまたしばらくは連絡もないだろうし、ま、その間にこの心を薄めるしかない。忘れてる時は、ぜ〜んぜん思い出しもしないので、まあ多分平気。ある意味、私はいつもこうやって、どうにかやり過ごしながら生きてんだなって思う。